2021年 北海道 夏季 干ばつ・高温による作物の影響

家庭菜園・畑作りの雑記
スポンサーリンク

2021年の北海道は非常に暑い夏でした。

北海道では2021年6月から8月第一週までの小雨量と、約3週間超に及ぶ30℃越えの気温。

札幌ではオリンピックで競歩とマラソンが行われましたが、重度の熱中症の選手が出てしまったというニュースもあり、今年の北海道は大変な暑さと干ばつに遭いました。(そしてオリンピックが閉会した翌日に涼しくなりました。)

北海道の異常な高温と干ばつ、それが今年の畑にどう影響が出たのか。今回はそのお話をします。

日本に梅雨前線が停滞する6月と7月、既に北海道の干ばつは始まっていた。

 今年の小雨量の始まりは6月からです。

 北海道では今年の5月に蝦夷梅雨とも呼ばれる雨と曇りが多い日を迎え、その間は私の畑でも日照不足が心配になっていました。

 それが終わり、6月からは雨がほとんど降らずカラっとした晴天が続きました。

 「やっと畑の作物が育つ~!」

 と喜んでいたのはこの束の間のことでした。

 全国的には梅雨前線の停滞していて大雨洪水の災害が出る中、北海道では話題から取り残されたように雨が降らない日々が続きます。まともに雨が降った日は1日くらいしかありませんでした。

6月末になった時、私も「水やり疲れたなー。お休みする日もあっても良いのに…あれ?雨が最後に降ったのはいつだっけ?」と考えるようになりました。

7月中旬、北海道に真夏日がやってきた!

 雨が降らない中、真夏がやってきました。

 北海道では通常だと、最高気温が28℃を超える日が合計で約1週間程度くらいです。少ない年であれば2日間程度で終わってしまうこともあります。最高気温28~32℃くらいになると「短い真夏の期間だねー」という感じです。7月8月の多くは25℃くらいで推移します。

 ところが今年は、30℃を超える日が3週間以上続きました。

 それでも蒸し暑くないんでしょう?と思われますが、強烈な日光と雨が降らないカラッカラ!な状態で焼かれるような暑さだったのを覚えています。

いつ暑さが和らぐのか、雨が降るのか毎日天気予報とにらめっこ。

 それでもたまに天気予報で出る傘マーク。

 今日は雨が降る!と小躍りし、

 実際降ったら、ぽつりぽつり。アスファルト全面が濡れずに終了!

 これはひどい!と思いつつ、仕方がなく毎日畑に散水してました。「早くいつもの気温の夏に戻って!」と多くの道民は思っていたかもしれません。

 ところで、北海道はエアコンを設置していない家屋が多いことをご存じでしょうか。昔はエアコンは必要なかったのですが、近年は真夏日になる日が多くなってきたように感じます。突然気温が上がるので身体が慣れず、夏日でも熱中症になってしまいそうになります。

 知り合いの方も、今年熱中症になったそうで、

 「雑草抜きで夢中になっていたら倒れてしまってたらしく、近所の人に救急車呼んでもらってたみたいで、意識取り戻したら病院にいたよー。」

とのこと。倒れる前の記憶がないそうです。熱中症は自覚無くいきなり来ると勉強になりました…。

 最近の北海道の新築やリフォーム物件では、この真夏日のためにエアコンを設置するようになってきているようです。我が家はエアコンがついているのですが、すぐ近くの実家にはついていないため我が家で両親を涼ませて過ごしていました。命を守るために、24時間エアコンは稼働!電気代は…「冬の方がまだ高いな。」という程度だったのであまり痛くは感じませんでした。

干ばつと高温の影響が出たスーパーの野菜

 スーパーで干ばつと高温の影響が出た野菜たち。作物の育ちに心配があるものは農家さんからのお手紙が添えられていることも多いので、消費者が「今年は大変だったんだなー」と分かる手段です。

 私が実際にスーパーに赴いた際、干ばつと高温の影響を受けたとみられる野菜たちを調査してきました。

大根

 なんと干ばつに加えて37℃の猛暑日を迎えてしまった農産地の大根。「干ばつで変形してしまいましたとのことです。

 しかし並べられているのはどれも立派な大根です。ちょっとボコボコしているかもという程度ですが、「もしかして規格外になるほど変形大根がたくさん出てしまった?」と考えてしまいます。

 大根はボコボコでも食べられるよ!大根おろし、おでんには欠かせないものですね。

 最近は猫の形ができる大根おろし用の型がありますね。あれは可愛いです。100円ショップのキャンドゥで見つけました。

大根おろしにとても合うサンマ…。今年はサンマは捕れるのでしょうか…?不漁続きですが。

大根おろしの出番がない場合は、煮つけにして食べたいですね。

スイカ

 夏の果物といえばスイカ!

 高温に強い作物なので大丈夫かと思ったら、今年は「早期過熟」と出てました。

予想以上の高温続きで、中が早く熟しすぎている場合があるとのことです。

 スイカは実が大きくなったら収穫するというわけではなく、受粉してからの日数で収穫するので、過熟の発見は大変難しいですね。

 ちなみに、「過熟していたら交換します」との対応をされています。農家さんに脱帽!

 北海道のスイカはまだまだこれから出荷が続く時期ですので、8月いっぱい楽しめそう…と思っていたのですが、今回は過熟の影響で8月末でもスイカが出回らない状態が続いています。大きくなる前に熟してしまうのが困りものです。とても出荷できる状態にないスイカが多いということでしょう。

トウモロコシ(とうきび)

 とうもろこし、私たちはとうきびと呼んでいます。今年は高温の影響で実が小さいまま早期に収穫することになったので、小振りになっていますとのこと。

 何故早期に収穫することになったのかというと、私も今年はとうきびを育てていて経験したのですが…「とうきびのヒゲが暑さで早く枯れる」現象に遭いました。

ヒゲが枯れてきたとうもろこし

とうもろこしはヒゲが枯れたタイミングが収穫の目安になっているため、私も収穫の時は

「あれ?もう収穫?ちょっと小さいけど…」

と一応実を握ってみて実の膨らみを確認して、細めかなという感覚でした。

とはいえトウモロコシは収穫時期が割とシビアであり、収穫時期が遅れるとすぐ皮が固くなってしまうので、私も自分の畑のとうきびはヒゲが枯れた段階を見て収穫してます。

7月12日に出穂を確認して受粉し、早めにヒゲが枯れてきたため太さを確認しつつ待ちましたが、結局これ以上は大きくならないと判断し、18日後の7月30日に収穫することになりました。大体3週間くらいとも言われていますので、数日早めの収穫です。

 まだ自宅近隣の農地ではとうきびの収穫をしていない畑も残っていましたので、これから出てくるとうきびの状態も気になります。

とうもろこしはギフトで人気の商品ですが、ギフトにできる程の大きなとうもろこしの収穫は少なかったため、ギフトの注文は早々に終了になりました。

葉物野菜全般(水菜・チンゲンサイ等)

 葉先に枯れが出ていることがあるとのこと。そもそも枯れて出荷できないものが多く、入荷自体がない野菜も出てきています。全体的に入荷量が少ない状態です。

これから影響が出てきそうな野菜

・玉ねぎ…変形。いつもより小振りになりそうとのこと。

・ジャガイモ…葉の枯れで影響が出そうとのこと。

・ブロッコリー…枯れた被害あり。

・ニンジン…干ばつにより枯れたとのこと。変形も。

その他にも多くの農作物に被害が出ているようです。

我が家の畑での干ばつ・高温の影響

我が家の畑の作物も、今年の高温干ばつによって影響が出ています。

・キュウリの花付きが悪くなる

水切れ状態のきゅうり

1日2回以上の水やりでも、すぐに水切れを起こしてしまっていました。朝9時の段階で既に葉が萎れて、このような状態です。

高温と干ばつに耐える地這えキュウリ

枯らさないように必死になってましたが、気が付けば雌花がほとんど出てこない状態になっていました。雄花すらあまり見当たらない…。窒素過多で葉だけが生い茂っているわけでもない…。

キュウリは長日条件で花付きが悪くなるようです。この時はカンカン照りが続き、日照時間がほぼ毎日13時間ほどありました。キュウリは日照時間が9時間以上になると花の数が減ると言われています。

 おまけに毎日水枯れ。これは葉を伸ばしたり花を着けたりするどころではない、といった状態でしょうか。しばらく成長が止まってました。植物が、自らの水分の消費を減らすように反応したとも考えられます。

そして同じくカボチャの葉も、このように萎れていました。

干ばつ下のカボチャ

水やりはキュウリとナス優先でしたので水やりが追い付かず、今年のカボチャには厳しい条件下で生き抜いてもらっています。

・トマトの尻枯れが大量発

これは、良いことでも悪いことでもあるのですが、大玉トマトが尻枯れ病になりました。

綺麗に成ったトマトもありつつも、尻枯れしたトマトも大量発生しています。プランターで育てたトマトは特に水切れが早く、常に新芽が萎れているような状態になってしまい、しっかり尻枯れしてしまいました。「水やりした水、もしかして温水になっていませんか…?」というレベルの高温で、非常に管理が難しかったです。

トマトの尻枯れ病

ただし、尻枯れしたトマトは見た目は良くないものの、水分が少ない状態で育ったために甘みが凝縮されて美味しいです!

収穫した尻枯れトマト

枯れた部分を取り除き、普通に食べたら…あまりの甘さにびっくりしました。

適当に切った尻枯れトマト。とても甘い。

尻枯れしたトマトはスーパーで並ぶことはほぼ無いので、育てた人が楽しめる味になりますね。これは干ばつの唯一の恵みだったのかもしれません。

・プランターのイチゴが枯れた

イチゴは全てプランターで育てていましたが、一部の株がすっかり枯れてしまいました。

干ばつで枯れためちゃデカッ!いちご

 『めちゃデカッ!いちご』、『とちおとめ』、『桃薫』が完全に枯れました。桃薫の一部の株と『めちゃうまっ!いちご』は生き残りましたが、強い高温により水がすぐ蒸発する状態。必死の水やりでも一部の苗は完全に枯渇してしまいました。

 手動の水やりの限界を覚えました…。

・ナスがぼけた

 ナスは比較的生育に水が必要な野菜です。水不足になるとナスの表面に艶がなくなり、いわゆる「ボケ茄子」という状態になります。

収穫したピーマンとナス。ナスはボケた状態

 ボケてしまったナスは見た目はあまり良くありませんが、もちろん食べられます。2日間くらいでシワシワになり長持ちはしないので、炒め物等にしてすぐ食べると良いです。焼きナスにするのであれば、もっとみずみずしいナスが美味しいと思います…。

・トウモロコシ

これは先ほども触れましたが、高温と干ばつでヒゲが早く枯れてしまい小振りのものを収穫しました。

ヤングコーンも実の水分が少なくシワシワになってしまって、触感が落ちていました。

最後に

 今年の高温・干ばつは災害と言われるほど本当に珍しい気象で、私も初めての雨が降らなさ過ぎる熱い夏であり貴重な経験になりました。北海道の雪解け水と地下水の恵みがもし無ければ、たちまち水不足になっていたかもしれませんね。スーパーに並ぶ野菜たちにも影響が出ています。出荷に至らなかった作物が多かったということを忘れずに、大切に野菜たちを食べましょう。

 8月後半もまた夏日になる日が来るそうなので、夏野菜のラストスパート9月半ばまで頑張って野菜たちを見守っていきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました